来院理由、症状
来院理由
痛みが出現する前日に首肩に違和感があり、一晩寝れば良くなると思い就寝しました。就寝中、強い痛みが出現し目が覚めたとの事。首、右肩を動かそうとすると激痛がはしり来院されました。
症状
【初診時】首、右肩を動かすことが出来ず可動域制限がみられました。特に頸部伸展時と右肩関節の挙上時に右の頸部~肩甲骨周囲、鎖骨周囲、上腕部に痛みが誘発。熱感、上肢シビレ、安静時痛はなし。頸部に筋緊張が強くみられました。
高齢で一人暮らし、そして負傷が利き腕のため、日常生活がとても困難な状態でした。
治療計画
痛みの軽減
頸部、右肩関節を動かすと強い痛みがでるので、少しでも痛みが軽減するような施術をおこないました。特に頸部痛を訴えていたので首中心で施術しました。
①筋緊張が右頸部後面、右僧帽筋にあるので、ハイボルテージで筋緊張の緩和。
②痛みが強いので、鍼治療で疼痛緩和。(置鍼15分)
③頸部、右肩関節の運動痛が強いので、キネシオテープ固定。
※熱感はありませんでしたが痛みが強いので、手技での施術は控えました。

【鍼治療の様子】
鍼治療が数十年振りという事と痛みが強いこともあり、右頸部、右僧帽筋圧痛部に置鍼(15分)行いました。
鍼治療2回目
1回目の治療後、痛みが2割減になるも頸部、右肩の運動時痛は変わらないとの事。1回目の鍼治療後、痛みや怠さが無かったので鍼通電治療を行いました。
※キネシオテープ固定は皮膚が痒くなるので中止しました。
運動痛の改善(鍼治療3回目)
鍼治療2回目後、鋭い痛みから鈍い痛みに変化してきました。右肩関節の挙上が出来なかったのが出来るようになりました。
この段階では、首を上に向くことがまだできません。
※鍼の施術方法は2回目と同じです。痛みが鈍痛に変化したので手技療法を追加し首、肩関節の可動域改善を目指します。

鍼治療4回目
鍼治療の施術方法は同じです。前回まで、首の伸展(上を向く動作)が出来ませんでしたが、出来るようになりました。痛みも、かなり軽減し日常生活に問題ないとのことです。

日常生活に支障がでないので、鍼治療は今回で終わりにしました。首のもともとの可動域が分かりませんが、伸展可動域が悪いのでストレッチをお伝えし、ご自身で改善できればと思います。
まとめ
今回の症例は、高齢者の首肩痛のより可動域が制限されるものでした。高齢者になると筋線維が細くなり、ちょっとした負荷により損傷してしまうことがあります。痛みが鋭い期間は筋肉に刺激を与えすぎない様に施術し、鈍痛に変わった段階で刺激量を増やし、可動域を改善していきました。鍼治療は4回でしたが、治療期間は2週間でした。昨今、高齢者で一人暮らしの方は非常に多いです。痛みがありながらの生活はとても大変なので、少しでも役に立てればと思い日々仕事をしています。
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