膝に水が溜まる(関節水腫)、変形性膝関節症の事例

膝に水が溜まる原因はいくつかありますが、ここでは変形性膝関節症により関節に水が溜まった事例を紹介します。 70代、女性、(パート勤務で週4回、立ち仕事で常に歩いている状態)、整形外科で変形性膝関節症と診断され、数日後、膝が腫れて痛みが悪化し来院。

初検

患部外観:腫脹、発赤、熱感があり。足に浮腫みがある。

圧痛:裂隙部内側に圧痛あり。半腱様筋に圧痛。

可動域:膝を曲げると突っ張る感じがする。膝が完全に伸びない。歩行時、しゃがみ込み時に痛み増悪

検査:膝蓋跳動テスト(陽性)

エコー検査:左の画像が患側、水腫の確認ができる。右が健側。

治療法

アイシング:炎症を抑えるため。

電気療法(マイクロカレント、超音波):痛みの軽減、炎症の抑制を促す。

鍼灸治療:筋緊張の緩和、水腫の軽減を促す。

鍼灸治療:筋緊張の緩和、水腫の軽減を促す。

マッサージ:下肢の浮腫み改善。

《自宅でのセルフケア》

  • 仕事時はサポーター着用。
  • 仕事後熱感が強くなっていればアイシング。
  • 就寝時は膝にパッドで圧迫し、足を少し高くする。

治療経過

2週間:水腫、熱感残存。歩行時の痛みは緩和。しゃがみ込み時は増悪。
4週間:外観上の腫脹は軽減するも、水腫は残存。熱感も軽減するもれる、裂隙部内側に残存。
6週間:腫脹、歩行時痛が軽減するも、水腫は残存。しゃがみ込み動作は痛みを誘発する。

※事前に治療後1ヵ月半経過して水腫が残存していたら、整形外科で水腫を抜くことを進めました。抜く理由として関節内の内圧が高まると、大腿四頭筋の筋力が低下してくるので期間を定めました。

1ヵ月半経過しても水腫が残存するので整形外科に受診して頂きました。整形外科では水腫を抜くことはせずヒアルロン酸の注射のみ行いました。

ヒアルロン酸の注射して3日後から腫脹が改善し、痛みも緩和してきました。

7週間:腫脹、疼痛、熱感の改善。しゃがみ込み動作では痛み軽減しているが痛みはある。

エコー検査:水腫消失。膝の外観の腫脹も改善。屈曲時に痛みは残存するもツッパリ感は消失。

考察

今回の事例は患者様が膝の水腫を注射で抜かずに治療をしたいとの事でした。1ヵ月治療をして改善が見られねければ、整形外科にて注射で水腫を抜くことを説明しました。
1ヵ月経過して若干の腫脹の軽減が見られたので、2週間経過を診ることにしました。
2週間経過し水腫が軽減しないので、整形外科に受診して頂きました。整形外科では水腫を抜かずにヒアルロン酸の注射のみしました。注射をした3日後から腫脹が軽減し、膝を曲げた時のツッパリ感が消失しました。それと同時に下肢の浮腫みも軽減しました。
ヒアルロン酸を注射したことで関節包の炎症が治まり、水腫が改善されたと推測します。

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この記事を書いた人

資格:柔道整復師、鍼灸師
経歴:整形外科勤務、鍼灸整骨院勤務、整骨院共同経営、鍼灸整骨院開業

健康のことや何気ない日常をブログでお伝えします。

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