股関節の痛み(大腿直筋)

歩行中、立ち上がり、階段昇降時に股関節が痛くなることがあります。整形外科でレントゲン検査で異常が無いと言われて、痛み止めと湿布を処方されたが痛みが改善しない方も多いと思います。
レントゲンで異常が無いというのは、骨に異常(変形性股関節症、大腿骨頭壊死など)がないということです。なので骨以外の軟部組織に異常があると考えられます。 そこで今回は軟部組織の筋肉(大腿直筋)の問題により股関節が痛くなる説明をしていきます。

痛みの原因、大腿直筋の反転頭

反転頭とは

ももの前面にある筋肉の一つに大腿直筋があります。この筋には起始部(筋が骨に付着する部分)2か所あります。
【①下前腸骨棘②寛骨臼上溝】②の寛骨臼上溝に付着する部位が反転頭です。

この筋が原因で痛くなることがあります。

こんな痛みはありませんか?

  • 靴下を履く動作が痛い
  • しゃがみ込みの作業時に痛い
  • 車の座席への乗り降り時に痛い
  • 足を組む動作で痛い

痛みがでる原因 :股関節インピンジメント(FAI)

股関節を曲げた時に大腿骨と臼蓋が衝突することで、大腿直筋の反転頭も衝突し痛みが誘発します。 股関節を屈曲、内転、内旋運動で痛みが増悪すればFAIの可能性が高いです。

  • 大腿骨の骨の隆起によるタイプ
  • 臼蓋が前方へ張り出すタイプ
  • ①、②の両方のタイプ

治療法

疼痛の緩和

炎症が生じている時は積極的なリハビリは痛みを増悪するので、日常生活で安静にし炎症を抑えるのに専念する。炎症時はズキズキと痛み、就寝時にも痛みがあり睡眠困難なこともある。 アイシングすることで患部の痛みが緩和します。

炎症が治まった後

  • 炎症後、反転頭の拘縮を引き起こしやすくなるのでストレッチで改善していく。また大腿直筋が筋スパズムが引き起こしている場合、股関節90°屈曲位で牽引を加えつつ、反復して等尺性収縮を軽めに促していきます。
  • 骨頭求心性の改善:外旋6筋(梨状筋、内・外閉鎖筋、上・下双子筋、大腿方形筋)、中殿筋、小殿筋のストレッチ。
  • 骨盤前傾の改善:骨盤の前傾位はインピンジメントが起こりやすくなります。腸腰筋、多裂筋の短縮の改善と腹筋、ハムストリングの筋力訓練を行う。

まとめ

股関節に強い痛みが生じた場合、まずは整形外科でレントゲン検査で骨の異常がないか確認し、レントゲンに異常がなければ軟部組織に原因があると考えます。 軟部組織の原因で多いのが股関節インピンジメントにより反転頭が損傷することです。 痛みが強い場合は炎症により痛みなので、安静に生活し痛みが軽減後にリハビリを開始して下さい。

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この記事を書いた人

資格:柔道整復師、鍼灸師
経歴:整形外科勤務、鍼灸整骨院勤務、整骨院共同経営、鍼灸整骨院開業

健康のことや何気ない日常をブログでお伝えします。

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