一般的加齢に伴い筋肉量は減少します。すなわち筋力が低下します。筋力の低下は上半身よりか下半身に顕著に認められるため、転倒のリスクがたかくなります。65歳以上の方は是非、参考にして下さい。
転倒チェックリスト
2個以上当てはまる方は転倒に要注意!
・過去1年間に転倒したことがある。
・背中が丸くなってきた。
・歩く速度が遅くなってきたと思う。
・杖をついて歩行している。
・毎日5種類以上の薬を飲んでいる。
・過去1年間に骨折したことがある。
意外と分かっていない筋トレとウォーキングの効果の違い!
高齢者の筋トレの効果
筋トレをしていない ⇒ 筋肉量が減少していく。
週1回、筋トレしている ⇒ 筋肉量の維持。
週2回以上、筋トレしている ⇒ 筋肉量の増加。
ウォーキングの効果
メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の方や予防には有効ですが、筋肉量の減少の抑制、もしくは増加には全くではないですが効果が少ないです。
理想は筋トレとウォーキングを行うようにしましょう。
トレーニング方法
※筋トレ前は自身の体調が良好の場合のみ、行うようにして下さい。またトレーニング中に痛みが誘発する場合も控えて下さい。
大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)

《大腿四頭筋の特徴》
床や椅子から立ち上がる時に使用する筋肉です。筋力低下により、ひざ関節の安定性が低下し変形性膝関節症のリスクが高まります。また変形性膝関節症の方は医者から『ももの筋肉を鍛えなさい』と言われることが多いです。
この筋肉の柔軟性が低下すると正座が出来なくなってしまうことがあります。
《筋トレ方法》


- 仰向けで寝ます。
- トレーニングしないほうの膝を曲げます。(曲げないと腰に負担をかけてしまいます)
- トレーニング側の足首を90°に保持します。
- 3秒間かけてゆっくり45°の角度まで足を上げます。(太もも前面部の筋肉の収縮を感じて下さい)
- 3秒間かけてゆっくり足を下げます。(下げた足の踵が床に付かないようい注意)
回数:30回を3セットおこなって下さい。(辛ければ10回からでも良いです。徐々に回数を増やしましょう)
大殿筋、脊柱起立筋(お尻、腰、背中の筋肉)

《筋肉の特徴》
脊柱起立筋:姿勢保持の筋肉の一つです。この筋肉が低下すると背中が丸くなることが多いです。また筋肉の柔軟性低下は腰痛、背部痛の原因となります。
大殿筋:この筋肉も姿勢保持筋です。立ち上がる時に強く収縮します。慢性腰痛の方の多くは大殿筋が硬くなり、この筋をほぐすだけでも腰痛が楽になります。
《筋トレ方法》


- 仰向けで寝、両膝関節を曲げます。
- 足の幅は骨盤と同じ幅にします。この時に背骨や骨盤が左右に傾かないよう注意。
- 2秒間で腰、背中を浮かせます。
- 浮かせたら3秒間キープします。お尻、背中の筋肉が収縮しているのを感じて下さい。※上半身から膝までが一直線になるよ3秒間キープします。
- 2秒間でゆっくり腰、背中を下ろします。
回数:10回を3セットおこなって下さい。
腹直筋(お腹の筋肉)

《腹直筋の特徴》
姿勢保持筋の一つで、骨盤の安定化として働きます。背中が丸くなっていると腹直筋が十分に伸びずに柔軟性が低下します。
女性に多い反り腰は腹直筋の働きが悪くなり、筋力低下につながります。また、腰痛や股関節痛を発症することもあります。
《筋トレ方法》


- 仰向けで寝て、両膝関節を曲がます。
- 反動つけずにおへそを見るように上半身を起こし、お腹の筋肉の収縮を感じて下さい。(上半身を無理に起こさなくても腹直筋が硬くなっていればOKです)
回数:10回を3セット
内転筋群(太ももの内側の筋肉)

《内転筋群の特徴》
立っている時に股関節の前後、左右のバランスに作用する筋肉です。O脚は内転筋群の筋力低下し転倒リスクが上がります。
変形性膝関節症の方は内転筋が低下してることがおおいので、筋トレはお勧めです。
《筋トレ方法》


- ひざを曲げて、仰向けでねます。
- ひざの間にボールを挟みます。
- ボールを両膝でつぶし、5秒間キープします。(5秒経過したら力を抜きます)
※ボールが自宅になければ、クッションやバスタオルを折ればボールの代わりになります。
回数:10回を3セット
大腿筋膜張筋、中殿筋(太ももの外側、お尻の筋肉)

《大腿筋膜張筋、中殿筋の特徴》
大腿筋膜張筋:左右のバランスを保持する筋肉です。O脚の方は歩行時に負担がかかるので筋緊張が強くなります。また、長時間の歩行で股関節外側が痛くなることがあります。
中殿筋:左右のバランスを保持する筋肉です。慢性腰痛の方は中殿筋の緊張で痛くなることがあります。
《筋トレ方法》



- 横向きで寝て、膝を伸ばした状態からスタートします。
- 片足を3秒間で40°まで上げます。
- 3秒間で足を下ろします。(下げた足は浮かしたまま、次の動作に入ります。)
回数:20回を3セット(辛ければ10回から始めて下さい)
ハムストリング(太ももの裏側の筋肉)

《ハムストリングの特徴》
3つの筋肉(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)で構成されています。股関節を伸ばす作用とひざを曲げる作用があります。
ハムストリングの筋力低下により歩行のスピードが低下すると言われています。また柔軟性の低下によって腰痛、ひざ痛を誘発することがあります。
《筋トレ方法》


- うつ伏せで寝ます。
- 左側の踵をお尻に付けるように曲げます。(もも裏の筋肉の収縮を感じて下さい)
- 曲げた足をゆっくり戻してください。
回数:左右20回を3セット ※ゴムチューブ、重りを使用することで負荷をかけられます。慣れてきたら負荷量を増やしましょう。
大殿筋、大腿四頭筋(お尻、太ももの前面の筋肉)


《大殿筋、大腿四頭筋の特徴》
大殿筋:この筋肉も姿勢保持筋です。立ち上がる時に強く収縮します。慢性腰痛の方の多くは大殿筋が硬くなり、この筋をほぐすだけでも腰痛が楽になります。
大腿四頭筋:床や椅子から立ち上がる時に使用する筋肉です。筋力低下により、ひざ関節の安定性が低下し変形性膝関節症のリスクが高まります。また変形性膝関節症の方は医者から『ももの筋肉を鍛えなさい』と言われることが多いです。
《筋トレ方法》



- 椅子に座ります。(手を添えれる場所で行って下さい)
- 背筋を伸ばした姿勢のまま、ゆっくり立ち上ります。
- ゆっくり座ります。お尻、ももの前面の収縮を感じながら行って下さい。

【悪い膝の位置】
膝を曲げた時に、膝がつま先より前の位置にあります。この姿勢で行うと膝を痛めます。

【良い膝の位置】
左の写真は良い例です。膝を曲げた時に、膝がつま先より後ろに位置するようにしましょう。
回数:10回を3セット
脊柱起立筋(首から腰までの筋肉)

《脊柱起立筋の特徴》
後頭部から骨盤まで長い距離を走行している筋肉で、姿勢を保持しています。筋力低下により背中が丸くなりやすくなります。
3つの筋肉で構成(棘筋、腸肋筋、最長筋)されています。
腰痛、背部痛、頸部痛の方の多くが、脊柱起立筋の緊張が強く見られます。
《筋トレ方法》



- 椅子に座ります。
- 両手を頭の後ろに添えます。
- 上半身を前に曲げていきます。
- 上半身を上げます。(この時に背中の筋肉の収縮を感じて下さい)
回数:10回を3セット
腸腰筋(体幹の筋肉)

《腸腰筋の特徴》
3つの筋肉(大腰筋、小腰筋、腸骨筋)で構成されています。
骨盤を安定、足を上げる、腰を曲げる作用があります。腸腰筋の低下により段差につまずいたり、骨盤が傾き姿勢が悪くなります。
奥にある筋肉なので、知らぬ間に筋力が低下してい方が多いです。
《筋トレ方法》


- 椅子に座ります。
- 片膝に両手を置きます。
- 両手を置いた方の膝をゆっくり上げます。(膝を上げた時に両手で膝を押すように軽く負荷をかけます)この時に太ももの付け根に筋収縮を感じていればOKです。
- ゆっくり膝を下げます。
※手で押さえる負荷量はご自身で調節して下さい。

【良い例】
背筋を真直ぐした姿勢で行って下さい。背中が丸まると腸腰筋ではなく四頭筋に負荷がかかってしまいます。

【悪い例】
背中が丸まっていると、腸腰筋に負荷がかからず、トレーニング効果が減少します。
回数:左右10回を3セット
腓腹筋、ひらめ筋(ふくらはぎの筋肉)

《腓腹筋、ヒラメ筋の特徴》
立っている時の姿勢保持筋です。
この筋肉は第2の心臓と言われ、静脈血を心臓に戻すポンプの作用があります。筋力低下により浮腫みの原因ともなります。 また、冷えや筋緊張により、こむら返りになりやすい方が多いです。
《筋トレ方法》


- 立って行います。※転倒予防のため、必ず手を添えれる場所でおこなって下さい。
- 踵を床から浮かせます。
- 踵を戻します。
回数:30回を3セット
前脛骨筋(すねの筋肉)

《前脛骨筋の特徴》
立っている時に前後のバランスに作用する筋肉です。筋力低下になると足首が上りが悪くなり、段差につまずくことがあります。
《筋トレ方法》


- 立って行います。
- 転倒予防のため、必ず手を添えれる場所で行って下さい。
- つま先を床から浮かせます。つま先を戻します。
※踵重心になるとバランスが悪くなります。気を付けて行って下さい。
回数:30回を3セット
まとめ
人生100歳時代に突入です。健康で長生きできるように筋肉貯金を今から行いましょう。痛みが発症してからだと筋肉を鍛えるのは困難です。楽しい老後生活を送れる方増えれば幸いです。
継続は力なり!
トレーニングの回数はあくまでも参考です、辛い方は回数を減らして行って下さい。
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