手作業を多くする人になりやすい『ばね指』の治療経過

45歳(女性)2カ月前から家事中に左母指に痛みを感じ始めた。普段通り生活していると数日後に親指の引っ掛かりが生じてきたため、整形外科に受診しばね指と診断された。

整形外科では電療と10分程度の手指のマッサージのリハビリを行っていた。10回程度通院したが症状に変化が見られないため当院に来院。

【原因】生活環境の変化により、家事の量が増え手指に負担がかかり発症したとのこと。

【日常生活】症状が発症してからも特に変化なく生活をしている。サポーターなどの装具もしていないとのこと。

【当院での初検】

  • 左前腕屈筋群、伸筋群の筋緊張が強い。
  • 母指IP関節屈曲時に引っ掛かりが誘発。
  • 母指伸展時に母指背側部につれる痛みが誘発。
  • 雑巾を絞る動作が一番痛みが強い。
  • 視診で腫脹が確認できる。
  • エコー検査で腱の腫脹を確認。

右が患側、左が健側。健側に対して患側の腱が肥厚しているのが確認できる。

【治療法】

・超音波で患部の炎症を軽減
・手技療法で前腕の筋群の緊張の緩和と柔軟性の改善
・鍼治療で筋緊張緩和と血流改善、疼痛緩和を促す

鍼治療の様子   長母指屈筋の筋緊張緩和を目的に鍼通電治療。

【自宅での指導】

1週間:引っ掛かりはあるが、コップを握る痛みは軽減した。指を使いすぎると痛みは増悪する。

2週間:お箸の使用時の痛み緩和。細い物を握れるようになった。引っ掛かりは残存する。

3週間:親指で紙をめくる動作が出来るようになった。疼痛、引っ掛かりは残存する。

5週間:細かな動きが痛みなく出来るようになった。引っ掛かり感が弱くなっている。

6週目:一番痛い時が10だとしたら2くらいに軽減している。引っ掛かりはまだあるが、弱くなっている。

3ヶ月目:引っ掛かりは若干感じられるがほとんど、気にならない程度でになり、握る動作は全く痛みが無くなったので、治療を終わりとしました。

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この記事を書いた人

資格:柔道整復師、鍼灸師
経歴:整形外科勤務、鍼灸整骨院勤務、整骨院共同経営、鍼灸整骨院開業

健康のことや何気ない日常をブログでお伝えします。

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