肩関節(肩甲上腕関節)

肩関節は肩甲骨と上腕骨を接続している関節で、人体で1番可動性の自由度が高い関節です。そのため負担がかかりやすく、痛める方も多いと思います。また野球、バレーボール、バドミントンなどのスポーツは腕を挙上する頻度が多いので、障害が起こりやすいのが肩関節です。

上腕骨骨頭を覆う筋肉

骨頭を覆う筋肉は六つの筋肉になります。

上方から後方に、棘上筋棘下筋小円筋が覆っています。

前方は肩甲下筋に覆われています。※肩甲下筋は下部にも筋繊維があるため前面部のほとんどが覆われています。

上方は上腕二頭筋長頭腱(起始が関節上結節)、下方は上腕三頭筋長頭腱(起始が関節下結節)

腱板疎部(rotator intervel :RI)

棘上筋と肩甲下筋は間は腱板が存在しないので腱板疎部といいます。
烏口上腕靭帯・上関節上腕靭帯・関節包の複合体である。

腱板疎部の関節包内に上腕二頭筋長頭腱があり、その前方に隣接して上関節上腕靭帯・烏口上腕靭帯がある。

※上関節上腕靭帯は関節包の内面を厚くし、上腕二頭筋腱への骨頭部による圧迫力を軽減させている。また上腕二頭筋腱と肩甲下筋腱との摩擦を防ぐ。

※腱板疎部は棘上筋前方端から上関節上腕靭帯部分までをいうが、上関節上腕靭帯から肩甲下筋腱までの間に関節包が迂回している場所がある。この場所は腱板疎部に比べて薄く、柔軟性があり、肩甲下筋腱の可動範囲を大きくする構造となっている。

中関節上腕靭帯(middle glenohumeral ligament : MGHL)

肩甲下筋腱の内面には中関節上腕靭帯がある。中関節上腕靭帯は上関節上腕靭帯基部付近の関節包から起こり、肩甲下筋腱内面に統合し小結節に付着する。

中関節上腕靭帯は下垂時での外旋や90°外転での内旋(2nd内旋)を制限する。

90°外転時の外旋(2nd外旋)は起始部と付着部が近づくため制限しない。

下関節上腕靭帯(inferior glenohumeral ligament : IGHL)

下関節上腕靭帯は3つの部分で構成されいています。
後下関節上腕靭帯前下関節上腕靭帯腋窩陥凹

頭側の関節包縁から内側の上腕頚部まで走行し、中央部の腋窩陥凹はより下の外科頚に達しています。

後下関節上腕靭帯は特に外転時に広がり、肩の前下部の安定性をもたらす。

※長い間、腕を動かさないでいると、腋窩陥凹は委縮したり、癒着してしまうと腕の運動を妨げてしまう。

下関節包

下関節包は下半分の臼蓋縁から起こり、V字状で上腕骨頭の周囲へと付着する。

肩関節内転時は解剖頚下部が下方関節唇に衝突し止まる。下関節包は腕を下垂位でたるみ⇒挙上時にたるみがなくなり⇒さらに挙上すると伸張する。

※上腕骨を外旋しながら挙上すると、下関節包が薄く引き伸ばされ骨頭下部に隙間なく張りつく。(右下部写真)

※上腕骨を内外旋中間位で挙上すると、下関節包はたるんだままになり、骨頭臼蓋間に隙間ができる。棘上筋腱板内面は上腕二頭筋長頭腱に衝突し最大挙上できない。

上腕三頭筋腱(Long head of Trichii brachii)

上腕骨が挙上から下垂するときに、上腕三頭筋腱(LHT)の走行が下垂位方向に変化する。上腕三頭筋腱(LHT)上面についた関節包は下方に引かれ、臼蓋内への巻き込みが防がれている。

肩峰下滑液包(Subacromial bursa:SAB)

肩峰下滑液包(SAB)内外側の範囲は肩峰下から大結節の下方まである。SABの下面は腱板および大結節と結合している。

滑液包は関節の動きのスムーズさや、摩擦の軽減の役割があります。

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この記事を書いた人

資格:柔道整復師、鍼灸師
経歴:整形外科勤務、鍼灸整骨院勤務、整骨院共同経営、鍼灸整骨院開業

健康のことや何気ない日常をブログでお伝えします。

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