離断性骨軟骨炎(OCD)・野球肘外側型

小学校高学年~中学生で野球している子供には、日ごろから注意しないといけない疾患です。多くは肘の内側の靭帯や筋肉の痛みですが、離断性骨軟骨炎は肘の外側部に発症します。

離断性骨軟骨炎とは

腕の骨の橈骨頭と上腕骨小頭部の軟骨が、成長期の未熟な骨と軟骨が剝がれてしまう障害です。遺伝性や使い過ぎなどという説はありますが原因は不明と言われています。

離断性骨軟骨炎は野球肘ともいわれ、肘の外側部に発症します。野球選手では2~4%の発症です。

この症状の問題は発症初期には、自覚症状が無いことです。軟骨には神経がなく痛覚が感知することが出来ません。なので、徐々に軟骨が損傷していき、悪化してくると、痛みや可動域制限(肘の曲げ伸ばしが出来なくなる)が症状としてでてきます。

沈黙の障害とも言われています。

自覚症状がでた時には、骨と軟骨が剥がれ手術が必要になることもあります。この剥がれた軟骨を関節ネズミとも言います。

検診が重要

離断性骨軟骨炎は初期で痛みが感じないないので、発症していても気が付きません。これこそが最大の問題点です。肘を酷使するスポーツをしている子は、定期的に(半年に1回程度)検診することです。レントゲン検査、エコー検査などで軟骨の状態が確認できます。痛みがない状態で早期発見できれば、手術をせずに保存療法で改善されます。

9歳の肘関節エコー画像。(正常写真)

半円になっている場所が上腕骨小頭になります。異常があると軟骨部の損傷や剥離が見れられます。

投球動作の確認

肘に負担がかかる動作は外反、外旋です。この動きの時に橈骨頭と上腕骨小頭が衝突し、症状が増悪することがあります。

投球動作の加速期に外旋が強くなります。この時に体の開きが早くなると、外旋がさらに強くなり肘に負担がかかります。またフォロースルー期の最後で戻る反発により橈骨頭と小頭が衝突することがあります。

投球動作を見直し、負担のかからない投球ホームに改善しましょう。

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この記事を書いた人

資格:柔道整復師、鍼灸師
経歴:整形外科勤務、鍼灸整骨院勤務、整骨院共同経営、鍼灸整骨院開業

健康のことや何気ない日常をブログでお伝えします。

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